恋愛はいつも、予定通りにはいかないものです。
家庭がある同士でも、ふとした瞬間に惹かれ合ってしまうことがある。そんな「ダブル不倫」という関係が、今や珍しいものではなくなりました。
しかし一時の気持ちに流されて関係を深めてしまった場合、その代償は決して小さくありません。
今回は、ダブル不倫によって起こり得る現実的な問題を、法律・家庭・社会・心理面などから整理し、「知っておくべきこと」としてまとめてみました。
■ 法律的な責任は“お互い様”では済まされない
ダブル不倫の最大のリスクの一つが、慰謝料請求です。
既婚者同士が配偶者以外と肉体関係を持つことは「不貞行為」にあたり、民法上の損害賠償(慰謝料)請求の対象となります。
しかもダブル不倫の場合、自分の配偶者だけでなく、相手の配偶者からも請求される可能性があります。慰謝料は1人あたり100~300万円が相場とされており、両方から請求されれば、数百万円単位の金銭的ダメージになることも。
また、不倫が原因で離婚となれば、財産分与や親権問題も絡んできます。子どもがいる場合、「不貞を行った親」に親権が渡らないケースも多く、人生設計そのものが大きく揺らぐ可能性があります。
■ 噂は想像以上に早く広がる
不倫の発覚は、意外とささいなきっかけから始まります。
スマホの通知、クレジットカードの明細、共通の知人からの目撃情報、SNSの投稿。本人たちがいくら「隠しているつもり」でも、秘密の関係は周囲の目には不自然に映りやすいものです。
社内での不倫であれば、立場や評価に直結しますし、職場の空気が一気に悪くなることもあるでしょう。ママ友・パパ友の間で噂が広がれば、子どもの人間関係や学校での居場所に影響する可能性もあります。
不倫は「誰にも迷惑をかけていない」ように見えて、実はじわじわと周囲を巻き込む性質を持っています。
■ 精神的なプレッシャーと信頼関係の崩壊
ダブル不倫の関係は、スリルや刺激がある分、常に「バレるかもしれない」という緊張感を伴います。
連絡のタイミングに気を遣い、会う時間を調整し、証拠を残さないように気を張る。そんな日々は、知らず知らずのうちに心をすり減らしていきます。
さらに、どちらかが本気になってしまった場合には、感情のコントロールが難しくなることもあります。
「家庭を壊すつもりはなかった」「ただの癒しだった」という思いとは裏腹に、信頼関係は一度壊れると元には戻りません。
結局、家庭も、不倫相手との関係も、両方を失ってしまうという最悪のシナリオも現実に起こり得るのです。
■ 子どもがいる場合、その影響は計り知れない
子どもがいる家庭では、不倫が及ぼす影響はとても深刻です。
両親の関係悪化や離婚は、子どもの安心感や自己肯定感に大きなダメージを与えます。
たとえ直接説明しなかったとしても、子どもは空気を読み、表情を見て、何かがおかしいと気づきます。そしてその違和感は、成長しても心に残り続けることがあります。
大人の恋愛は自由であっても、家庭という枠の中に子どもがいる場合、その責任は決して無視できません。
■ 「バレなきゃいい」は本当に通用する?
不倫をしている人の多くが口にするのが「バレなきゃ問題ない」という言葉。
でも実際は、“バレるときは突然”であり、“想定外の形”で発覚することがほとんどです。
バレた後の人生は、バレる前とはまるで違います。
信頼、居場所、人間関係、経済的安定、すべてが揺らぐ可能性がある。それだけの覚悟をもって関係を続けている人は、実はそう多くありません。
■ 最後に
後悔してからでは遅いこともある。
その関係を続けることで、失うかもしれないものは何か。
そして本当に得たいものは、今の形で手に入るのか。
「誰かとの秘密の関係」が始まりそうなときこそ、自分の立場と未来をもう一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。